2015年4月4日土曜日

UX and Emerging Technologies

Service Design Salon Vol.7/第17回UXD initiative研究会
「UX and Emerging Technologies」

Dirk Knemeyerさんのお話を聞いてきました。まずはScience fictionがScience factになっているという話。昔「Lost in Space」などで想像していたとんでもない形のロボットたちが、Pepperだとかという形で現実になっている。スタートレックのコミュニケーターもiPhoneという形で実現されていたり。(MotorolaのStarTakが発売したときも、数々のトレッキーの心が躍ったものだと思いますが、実際の世界でより一般的で実用的に使われ始めた例としてはiPhoneが当てはまるかなと思いました)その次にくるテクノロジーはなんだろ?そこに備えて我々UXerたち(にも限らないけど)はこれからどうなっていくのだろう?何をしていけば取り残されないのだろう?という話でした。



印象深い話としては、AI(人工知能)の浮上によってインターフェースが消滅し、UIデザイナーの仕事が奪われてしまうのではないかという話がありました。(スライド21p)私も今音声エージェントのアプリを作っていますが、ボタンを押して話すだけなので複雑なビジュアルデザインが不要なのは確かです。しかしAIがこれよりも飛躍的に発展し、話し手の発話内容を完璧にわかってくれたら、視覚的なインターフェースは消滅するかもしれませんが、今のような過渡期では「これがAIで、人間のような機会だけど人間でもないですよ、また色んな制約がありますよ(あらかじめ定められた定型文から外れた話し方をするとシステムに理解してもらえないなど)」というのをいかにデザインで示すかというのはインタラクション・デザイナーの腕が問われるところだと思いました。なので、この"Threat"はそんなにすぐやってくる訳ではないんじゃないかというのが私の考えです。

新しい技術が次々と現れて、ソフトウェアの開発方法もそれぞれが専門性を持って何かのフェーズを担当するというやり方から、一人、あるいは少人数のチームがアイデアを思いつくところから開発するところまで全部関わるようになる、またAIがUIに入れ替わるという状況で、どのように生存するか?の解として、「特定の市場にて強い専門性を持つこと」「科学や工学の深いところに専門性を持つこと」を提示しています。前者の話は、例えばヘルスケアのスペシャリストになるなどのことが考えられ、後者はものづくりの根幹にある何かの学問を突き詰めるという話です。(特に科学や工学をオススメしていたけど、私にとってはリベラル・アーツを深く探求していかないといけないという問題提起に聞こえました)

プレゼンの内容としては短い方でしたが、鋭い状況の整理、未来にどのような変化が起きるかに対する洞察、またその中で私たち"Creative"たちはどうすればいいかに対する具体的な提案が聞けて非常に良かったし、自分の状況をいろいろ振り返ったりこれからのことを考えるきっかけになりました。

参加者の方々も新しいことを学ぼうという情熱を持った方が多く、いろいろお話を楽しめました。前職の関係者、現職の関係者、大きいIT企業を辞めてスタートアップで頑張っている人などに出会いまるで自分の過去現在未来を一気に旅してきた気分です。(ディケンスの『クリスマス・キャロル』みたいな感じで)また、このような素晴らしいイベントを開催してくださった関係者のみなさんに深く感謝します。特にコンセントさんが開いている数々のイベントを通じて学ぶ機会をたくさんいただくことができてありがたいです。イベントスペースも、食事もとても素敵で楽しい時間を過ごしことができました。

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